糖尿病と新型コロナ

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ドクター
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糖尿病と新型コロナ

皆さん、初めまして。関目やまもと糖尿病内科 院長の山本裕一です☆

5月半ばにも関わらず肌寒い日々が続いていますが、皆様体調を崩されていないでしょうか?

さて、一時期よりは増え方はマシになったとはいえ、新型コロナに感染される方がまだまだ多くいらっしゃるのが現状です。
そこで、今回は糖尿病とコロナの関係について、少しお話させていただきたいと思います。

糖尿病患者は新型コロナウイルス(COVID-19)に感染しやすいの!?

 ⇒糖尿病患者は、新型コロナウイルス感染症にかかりやすいわけではありません!

糖尿病患者は、肺炎や尿路感染症など、さまざまな感染症を引き起こし、重症化するリスクが高くなることが昔からよく知られています。糖尿病、特に同じ糖尿病でも血糖値のコントロールが悪い状態が続くと、体の中で『感染症と戦う力:免疫力』が低下し、感染症が重症化しやすいのです。

しかし、糖尿病をもっているからといって、新型コロナウイルス感染症にかかりやすいというはっきりした報告はまだありません。日本人のデータとしては、新型コロナウイルス感染症で入院された患者 2,638 人のデータがあります(Matsunaga, N. et al. Clinical epidemiology of hospitalized patients with COVID-19 in Japan: Report of the COVID-19 REGISTRY JAPAN. Clin Infect Dis, doi:10.1093/cid/ciaa1470 (2020))。

このデータによると、患者様の平均年齢は 56 歳、糖尿病の有病率が 2.5-14.2%となっているのですが、日本人の50 歳代の糖尿病の有病率は約12%なので、新型コロナウイルス感染症患者における糖尿病の有病率が特別高いわけではないことが分かります。

糖尿病患者は新型コロナウイルス感染症にかかった場合、重症化しやすいの!?

⇒糖尿病患者は、新型コロナウイルス感染症にかかってしまうと、重症化しやすいです!

糖尿病患者が新型コロナウイルス感染症にかかってしまった場合、重症化しやすいということは、様々な国や地域で多く報告されています。

上でも引用させていただいた新型コロナウイルス感染による日本人入院患者 2638 人を対象にした検討でも、糖尿病の有病率は、非重症例では10.3%に対して、重症例では22.5%と、重症例において、糖尿病の有病率が明らかに高いことが示されています。さらに、入院中に酸素治療あるいはエクモによる治療が必要になった糖尿病患者の割合は、20.1%(酸素治療が必要になった患者 788 名中 158 名)あるいは32.9%(エクモが必要になった患者 255 名中 74 名)と、酸素治療が必要にならなかった割合 8.7%(酸素治療が必要にならなかった 1623 名中 142 名)と比べて高くなっています。

最近の血糖値のコントロールが悪ければ、新型コロナウイルス感染症にかかりやすいの!?

⇒糖尿病で、特に最近の血糖値が悪いからといって、新型コロナウイルス感染症にかかりやすいわけではありませんが、かかってしまった場合、重症化しやすいです…。

糖尿病患者の血糖値のコントロールが、新型コロナウイルス感染症の発症に関連するかどうかに関しては、まだよく分かっていません。しかし、入院時の HbA1c 高値が、新型コロナウイルス感染症の重症化、および肺病変の重症度と正相関があるということや、HbA1c 7.0%以上の糖尿病患者では、7.0%未満の患者と非糖尿病者に比して、新型コロナウイルス感染症による肺病変の重症度が高く、死亡率、人工呼吸器装着率、集中治療室入室 (ICU)率が高いという報告がされています(Lu, X. et al. Glycemic status affects the severity of coronavirus disease 2019 in patients with diabetes mellitus: an observational study of CT radiological manifestations using an artificial intelligence algorithm. Acta Diabetol, doi:10.1007/s00592-020-01654-x (2021).)。

糖尿病患者で、新型コロナウイルス感染や重症化を防ぐためにはどうすればいいの!?

 ⇒手洗い、マスク、ソーシャルディスタンス、ワクチン接種が重要です。また血糖コントロールを良くすることで、かかってしまっても、重症化を防ぐことが出来ますので、適切に医療機関を受診し、血糖値を良くしておくことも大切になります!

一般的に言われていることと同様ですが、糖尿病患者においても、感染を防ぐためには、こまめに手洗いをすること、マスクを着用すること、ソーシャルディスタンスを保つこと、また順番がきたらなるべくワクチンを接種することが重要です。

緊急事態宣言下では、感染拡大防止のために不要不急の外出や移動の自粛が必要とされましたが、あまりにも厳しく外出自粛を行うことは、普段の活動量や運動量を減らしてしまい、これまでの食習慣を変化させる可能性があります。体重増加や高血糖を防ぐためには、感染に気を付けながらも、(ソーシャルディスタンスを保ちながら)積極的な活動を心掛け、また食事の摂り方を注意する必要があります。

また外出自粛を理由に糖尿病患者が医療機関への受診を極端に控えることによって、血糖コントロールが悪化してしまう可能性もあるため、個々の糖尿病患者の状態に応じて(特に血糖コントロールがよくない方は)適切な間隔での医療機関受診が必要です。

★まとめ★

糖尿病をおもちだからといって、コロナにかかりやすいわけでは、決してありません!

ただし…、血糖値が悪いとコロナにかかってしまった時には、重症化しやすいので、血糖値を良くするために、適切な薬物治療、食事療法、運動療法を行うことが大切です!

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